化学物質管理を変革する「EmPlatform」開発の背景と展望
株式会社江守情報様について
お客様プロフィール
| 会社名 | 株式会社江守情報 |
| 本社所在地 | 福井県(北陸電力グループ) |
| 事業概要 | システム受託開発、IT関連機器・ソフトウェアの販売、および化学物質データベース関連ソリューションの提供。 |
1. 法規制強化と事業課題を背景に、新たな基盤構築へ

―― まず、ExESS Plusを刷新し、「EmPlatform」として再構築された背景を教えてください。
ご回答:
近年、法規制の強化に伴い引き合いが急増する一方で、長年にわたる開発人材の不足により、納期調整が難しく、案件をお断りせざるを得ない状況が続いていました。さらに、既存顧客から新たな開発相談をいただいても十分に対応できないという課題も抱えていました。
また、従来は個別受注開発が中心であったため、新しいサービスを継続的に提案・提供することが難しく、結果として化学物質管理業務全体をカバーする包括的な支援ができていませんでした。加えて、案件ごとの開発はコストが高く、納期も長期化しがちでした。
こうした課題を解決するため、体制の再構築・サービス基盤の強化・サブスクリプション型への転換を柱として、「EmPlatform」の構築に踏み切りました。
2. “部分最適” から “全体最適”へ ―― 再構築の決断
―― 既存サービスの延長ではなく、新たなプラットフォームとして再構築された理由は何だったのでしょうか。
ご回答:
大きな要因の一つは、外部サービスの旧APIサポート終了に伴い、新APIへの対応が不可避となったことです。また、従来の開発言語であるPHPの特性上、サーバOSのバージョンアップのたびにPHPの更新が必要となり、運用負荷が高いという技術的課題もありました。
さらに本質的な課題として、個別開発を繰り返す体制では、化学物質管理に関する専門知識やノウハウが組織として蓄積されにくいという点がありました。業務全体を俯瞰したとき、「このままでは持続的な成長は難しい」と感じたことが、抜本的な刷新の決断につながりました。
3. 開発パートナーにCube System Vietnamを選定
―― 開発パートナーとしてCube System Vietnamを選ばれた理由を教えてください。
ご回答:弊社代表が同社代表と過去に共にプロジェクトを進めた経験があり、そのパフォーマンスを高く評価していたことが大きな理由です。加えて、体制面・コスト面を含め総合的に比較検討した結果、最適なパートナーであると判断しました。
―― オフショア開発に対する不安はありませんでしたか?
ご回答:当初はコミュニケーション面に不安がありましたが、日本企業向けに日本語研修を体系的に実施されている点に安心感を持ちました。プロジェクト初期は日本人ブリッジSEのサポートもありましたが、現在ではベトナムメンバーと直接スムーズにやり取りできています。
4. プロジェクト推進と開発プロセスの進化
――プロジェクト全体を振り返って、評価している点を教えてください。
ご回答:当初は「要件定義」と「設計」を日本側で担い、「製造」と「テスト」を委託する形でスタートしましたが、現在は設計フェーズにもご支援いただいており、開発体制がより強化されています。サービスの拡張に伴い、管理体制も着実に整備されていると感じています。
―― Figmaを活用したデザイン検討はいかがでしたか?
ご回答:Figmaの活用により、画面イメージだけでなく画面遷移や動きも直感的に共有でき、認識合わせの精度が大きく向上しました。現在では顧客向けデモにも活用しており、今後も積極的に利用していく方針です。
5. 品質とコミュニケーションのリアルな評価
―― 品質面について率直なご感想をお願いします。
ご回答:品質については、まだ改善の余地があると感じています。特にデータの網羅性を意識したテストが今後の課題です。一方で、開発途中での変更や追加に対する対応スピードと柔軟性については高く評価しています。
―― コミュニケーション面の変化はいかがですか?
ご回答:2024年から継続的に関わっていただいていることで、プロダクト理解が深まり、仕様に関する認識齟齬は大きく減少しました。QA対応も適切に行われており、円滑にプロジェクトが進んでいます。
6. EmPlatformがもたらした成果
―― システム完成後の成果について教えてください。
ご回答:
EmPlatformは、現在では当社ビジネスの重要な柱として大きな期待を集めています。搭載サービスの拡充により、問い合わせ件数も増加しており、事業の成長に寄与しています。
システム面では、主要機能の刷新や外部サービス連携の強化を段階的に進めてきました。性能面についてもチューニングを重ね、満足できるパフォーマンスを実現しています。
7. 次のステップへ――目指すのはワンストップサービス
―― 今後の展望についてお聞かせください。
ご回答:今後はSTEP2開発として、**化学物質管理業務を包括的に支援する「ワンストップサービス」**の実現を目指しています。他社が追随できないレベルでの総合的なサービス基盤構築が目標です。
―― 開発パートナーへの期待はありますか?
ご回答:開発スピードについてはすでに高く評価していますが、今後は「品質向上」を含めた「生産性向上」に期待しています。特に障害の削減は重要であり、より高品質なサービス提供体制の確立を共に目指していきたいと考えています。
まとめ
株式会社江守情報様の取り組みは、単なるシステム刷新にとどまらず、個別開発からプラットフォーム型サービスへの進化という大きな変革です。
EmPlatformを軸に、化学物質管理の高度化と効率化を実現し、業界全体に新たな価値を提供する挑戦が、今まさに進行しています。
今後のさらなる進化に注目が集まります。
